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森貴教

研究分野

考古学

研究内容の紹介

日本列島における初期農耕社会である、弥生時代の社会の展開過程とその特質について3つの観点から研究しています。

1点目は石器の生産・消費システムという視点です。どこの石材が石器に用いられ、どこで石器が製作されたか。そして石器がどのように利用・消費され、廃棄されたか。こうした石器のライフ・ヒストリー、連鎖関係を遺跡出土資料から地道に読み解いていくことを通じて、石器の生産構造と石器を媒介とした遺跡間関係・交流ネットワークについて明らかにしたいと考えています。

2点目は石器から鉄器への材質変化についてです。弥生時代は一定程度金属器が使用されはじめる時代ですが、鉄器の導入・普及がそれまでの石器の生産・消費システムや遺跡間関係にいかなる影響を与えたのかについてはあまりよく分かっていません。また原材料となる鉄素材は中国大陸・朝鮮半島から長距離交易によって入手され、鉄器の生産には鍛冶に関する技術移転も必要とします。こうした点をふまえ鉄器化はどのような社会変容と結びついたかを明らかにします。

3点目は朝鮮半島南部の青銅器時代・初期鉄器時代との比較研究です。弥生時代の石器は、朝鮮半島の無文土器社会のものと関係が深いことが従来から指摘されており、石材も朝鮮半島産と考えられるものも含まれています。現在の国境を越え、よりグローバルな物流、石器を介した地域間関係の復元を目指しています。

研究キーワード

弥生時代、朝鮮半島青銅器時代・初期鉄器時代、石器、鉄器化、交流、社会変容

トピック

発掘調査速報会・出土品見学会のご案内(超域学術院・森助教)2019年10月01日

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