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最先端・次世代研究開発支援プログラム(杉山清佳准教授)

2011年04月01日テニュアトラック事業研究成果

平成22年度 最先端・次世代研究開発支援プログラムに、杉山清佳 准教授の研究課題が採択されました。

平成22年度 最先端・次世代研究開発支援プログラムに、杉山清佳 准教授の研究課題が採択されました。

なお、本プログラムは応募総数5,618件から329件が採択されています。

「最先端・次世代研究開発支援プログラム」とは…

将来、世界をリードすることが期待される潜在的可能性を持った研究者に対する研究支援制度であり、「新成長戦略(基本方針)」(2009年12月30日閣議決定)において掲げられた政策的・社会的意義が特に高い先端的研究開発を支援することにより、中長期的な我が国の科学・技術の発展を図るとともに、我が国の持続的な成長と政策的・社会的課題の解決に貢献することを目的とした研究期間4年以内(平成22年度から平成25年度の間)で研究費の総額2億円を上限とした大型競争的資金です。
「最先端・次世代研究開発支援プログラム」のWebサイトはこちらです。

研究概要

【課題区分】

ライフ・イノベーション

【研究課題名】

経験が脳の発達を促すメカニズム

【研究者名】

杉山 清佳(医歯学系・テニュア・トラック准教授)

【研究期間】

平成22年度~25年度

【交付予定額】

総額 156,000,000円

【研究の背景】

「三つ子の魂百まで」のことわざのように、子どもの頃の経験が、脳の成長には大切である。例えば、怪我などで子どもの片目に眼帯をすると、見る経験をさえぎられた目の視力が弱くなり、弱視を生じることがある。しかし、経験が脳の機能を発達させる仕組みについては、世界的にも分からない点が多い。

【研究の目標】

これまでに、胎児の脳を作る遺伝子が、生後には脳を発達させる役割を持つことを明らかにした。この遺伝子から作られる蛋白質(Otx2)は、経験を感知して脳細胞の間を移動し、移動先の発達を促すという世界的にもユニークな性質を持つ。この蛋白質の働き方を調べることにより、経験による脳の発達の仕組みを明らかにする。

【研究の特色】

蛋白質(Otx2)の量を外部から操作すると、経験を通して脳が柔軟に発達する時期(通常は幼少期)を人為的に操作することができる。この技術を用いて、脳の発達に必要な遺伝子群と仕組みを明らかにする。

【将来的に期待される効果や応用分野】

脳を発達させる仕組みが分かれば、神経疾患から脳機能を再建する治療法の開発につながる。さらに、蛋白質が脳細胞を移動する仕組みが分かると、例えば目に薬を入れるだけで脳の細胞に薬を届ける方法が見つかると期待される。