ナノアンテナ構造を用いた時空間制御された紫外域周波数もつれパルス生成の理論(岡寿樹准教授)
2015年04月01日テニュアトラック事業研究成果
ナノアンテナ構造を用いた時空間制御された紫外域周波数もつれパルス生成の理論(岡 寿樹准教授)
【研究期間】
2015年度–2017年度
【採択プログラム名】
科学研究費補助金 基盤研究(C)
【交付予定額】
4030千円
【採択領域】
光工学・光量子科学
【概要】
量子もつれ光はレーザー光には存在しない「量子相関」をもつことが知られており、量子テレポテーションなど量子情報通信への応用は有名です。 しかし近年、この量子もつれ光を分子系量子制御へ応用しようという研究分野が開拓されつつあります。量子もつれ光を分子制御へ応用するためには、 これまで量子情報技術が要請してきた従来の「通信波長域」の「偏光もつれ」ではなく、分子励起に適した「紫外域」の「周波数もつれ」と「超短パルス化」が不可欠になります。 しかし、これら全てを満たす量子もつれ光源は現在の所存在しません
本研究では微小共振器内プラズモンナノアンテナ構造を用いた生成法(右図)を提案し、上記全ての条件を満たした、 もつれ度が高く良質な量子もつれ光の生成を可能にする理論を構築し、実際のデバイス開発のための指標を与えることが究極の目的です。 量子もつれ光の分子科学応用への研究報告の多くは理論研究であり、実験研究の報告例は非常に少ないのが現状です。 この最大の要因の一つは最適な量子もつれ光源自体が存在しないためと考えられます。 本研究成果によって、これまで未開拓領域であった紫外域周波数もつれ光源の開発研究と実験研究の促進が期待できます。
図.共振器内ナノアンテナ構造の概念図。
見やすくするため上部のDBRは一部省略しています。