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日本地球掘削科学の拠点形成:海洋モホールの実現を目指して(2007.10.1~2010.9.30)

2013年09月30日超域学術院プロジェクト

年次報告書

 1)本研究は、オマーンオフィオライトにおける研究を発展させるとともに、Hole 1256Dを始めとするこれまでの海洋底サンプルの精密解析、太平洋における新たな探査やHole 1256Dのさらなる掘削実現を通して、海洋地殻の構造とその形成プロセス解明を目的としている。最終的にはマントルを目指す海洋底超深度掘削を国際的に主導する事を目指す。
2)意義・期待される効果
①海洋地殻上部層に対して、垂直方向変化=水平変化といった観点から詳細に研究された例はない。海洋地殻の構造とその形成プロセスに関して世界をリードする成果が期待される。
②ガブロ層の広域的な組成変化と構造岩石学的解析により、下部地殻形成モデルに関する決定的な制限条件を与えることができ、海嶺セグメント構造との関連で形成プロセスを体系化することに成功するならば、海洋地殻形成論で世界をリードできる。
③モホ面前後を詳細に解析した例は殆どない。岩石学的・構造岩石学的研究を結合することにより、モホ面の多様性の実体やセグメント内での違いによる化学的・レオロジカルな挙動を解明でき、海嶺軸下でのマントル~地殻の運動像を明らかにすることが期待される。
④オマーンオフィオライトのマントルかんらん岩の研究からは海嶺下でのマントルの進化とその後の改変過程を解析できる。
⑤オマーンでは、初期島弧形成過程が解明されうる、オマーンオフィオライトは海嶺オフィオライトの最大典型であるとともに、海嶺オフィオライトから初期島弧への改変過程を示す世界的典型となるであろう。