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東部ユーラシア周縁世界の文化システムに関する資料学的研究(2007.10.1~2010.9.30)

2013年09月30日超域学術院プロジェクト

年次報告書0102

 先行テーマ「大域的文化システムの再構成に関する資料学的研究」の成果をふまえながら、本学の中期計画にある「地域性・立地姓・拠点性(新潟県域から東北アジアまで)を考慮した研究を推進する」という立場を尊重し、ユーラシア全域のなかでもとくに東部ユーラシアに対象地域を限定する。前近代を通じて、新潟県域を含む日本列島は、文化的・政治的には朝鮮半島・東北アジア・北アジア・中央アジアなどとともに、中国を中心とした東アジア世界の周縁部を形成したが、それと同時に地理的には東部ユーラシアの周縁世界でもあった。本テーマはそれに由来するが、新潟県域・環日本海地域の特質を究明するためにも、東部ユーラシア周縁世界という概念は有効である。このような地理的な広がりの中で、文化交流、そして文化自体の普遍性・越境性と重層性といった問題を、人の移動・移住や物流の問題と関わらせて解明していく。

 一次史料や資料に対する独自の収集・整理を重視するという立場は、先行テーマから継続するが、さらにその姿勢を強化していく。とくに先行テーマでは十分に推進できなかった考古遺物についても、本テーマでは積極的に取り組む。その成果(資料集成)は、引き続き『資料学プロジェクト研究資料叢刊』(仮称)のシリーズで公開すると同時に、それらを用いた、あるいは分析した研究の成果については、『資料学研究』をはじめとする学術雑誌に公表していく。

 なお成果発表をはじめとする具体的な活動の面では、代表者・分担者が主宰する科研費プロジェクトなどはもちろんのこと、人文社会・教育科学系付置環東アジア研究センターや、同じく超域研究機構所属の近現代を対象とする「東北アジア地域ネットワークの研究」プロジェクトなどとともに、公開シンポジウムや講座・講演会などを企画していく。

チンギス・カン宮殿跡の発掘風景

アウラガ遺跡の日本・モンゴル共同作業風景