未来創成型米研究プロジェクト(2010.10.1~2016.9.30)

2016年09月30日超域学術院プロジェクト

本プロジェクトは食糧生産基地として位置づけられる新潟地域における新潟大学にあって、 特にポストハーベストの米研究に関するクラスター拠点形成を目指すものである。 主食として不動の位置を占める米ではあるが、米離れと米の国内需要の低迷は食糧自給率の低迷につながり、 米の高付加価値化を目指すことこそが新潟県の米戦略における要となるものである。プロジェクトは以下の5項目からなる。

  1. 米の新規機能性の開発:これまで注目されなかった米タンパク質に新たな健康機能性 (糖尿病性腎症緩和作用、消化管ホルモンGLP-1分泌促進作用、腸管免疫活性化作用)、 米由来生体防御ペプチド(歯周病菌などに対する抗菌性)を発見した。超高圧処理による米/米粉の低アレルゲン化を達成した。
  2. 米・米製品の食味の追求:新形質米の食味評価と加工技術を開発した。
  3. 新たな米・米製品の災害食・介護食の開発:米飯・餅等米食品摂取時の唾液分泌、咀嚼・嚥下機能について評価した。 また、これらのアジア地域での米加工品生産についても検討した。
  4. 米の新規用途の開発:玄米米粉100%の米粉パンの製造法を検討した。 また、飼料用米の子豚、鶏への成長有効性や肉質評価を実施した。
  5. 米を中心とする食育:米粉の利点、調理法を通して「大学生のための食育セミナー」を継続実施している。 以上の成果をもとに新潟県、新潟市とのクラスター形成活動に協力している。