霊長類大脳高次機能の解読と制御(2011.4.1~2017.3.31)

2017年03月31日超域学術院プロジェクト

人間らしい高次の認知活動は、脳に拡がる神経細胞のネットワークからどのようにもたらされるのでしょう? この問いに答えるため、わたしたちは脳に網をかけるように張り巡らせるメッシュ型の電極を開発し、動物実験から臨床研究まで一貫したアプローチで取り組んでいます。メッシュ電極は、個々の細胞活動を調べる微小電極法と遜色ない信号記録特性を有し(Toda et al Neuroimage 2011)、動物の脳の広範囲に留置できること(Matsuo et al Front Syst Neurosci 2011)、また物体視の高次中枢である下側頭葉においては視覚カテゴリーに対する選択性が鋭く(Matsuo et al Cereb Cortex 2014; Majima et al Neuroimage 2014; Miyakawa et al submitted)、粗いカテゴリーの情報ほど広範囲の脳に分散していることが示唆されました。今後さらに、記憶や認知などの高次脳機能のメカニズムを探求し、情報の流れを可視化する手法の開発にも取り組んでゆきます。