【開催報告】新潟大学研究統括機構ELSIセンター J-PEAKS WEEK 国際シンポジウム「ニューロライツと『同意』のゆくえ-脳・ゲノム・AIの交差点-」を開催しました
新潟大学研究統括機構ELSIセンターは、J-PEAKS WEEKの一環として、9月16日(水)に国際シンポジウム「ニューロライツと『同意』のゆくえ」を開催しました。
本シンポジウムには、約70名(オンライン参加含む)の国内外の大学、研究機関関係者が参加し、脳科学やAIの発展によって実現が期待されるニューロテクノロジーの社会実装を見据え、人間の思考や脳活動に関わる権利である「ニューロライツ」をテーマに、倫理的・法的・社会的課題について議論が行われました。
第1部の基調講演では、神経倫理・AI倫理の国際的第一人者であり、各国の立法・司法機関への科学的助言の実績を持つJosé M. Muñoz氏より、脳活動を計測・操作するニューロテクノロジーが医療分野にとどまらず、教育や職場、ウェルネス領域へと広がりつつある現状が紹介されました。また、ブレイン・コンピュータ・インターフェース(BCI)とAIの融合が進むなか、個人の自律性やアイデンティティ、プライバシーの保護、脳データのガバナンスなど、今後の社会において重要となる論点が提示されました。
続くパネルディスカッションでは、職場における脳波を用いたモニタリングの可能性と個人の権利保護の両立、子どもたちに必要となるニューロテクノロジー・リテラシー、脳科学教育の現状と課題などについて意見交換が行われました。また、遺伝子検査に関する議論との比較を通じて、技術の精度が十分でない段階で生じるリスクと、高度化によって新たに生じる倫理的課題の双方に備える必要性が指摘されました。
さらに、睡眠計測デバイスやウェアラブル機器などを例に、ニューロテクノロジーが日常生活へ浸透していく将来像についても議論が行われ、技術の発展とあわせて、権利保護や適切なルール整備、社会的理解の促進が重要であるとの認識が共有されました。
本シンポジウムは、脳科学、AI、倫理学、法学など多様な分野の研究者・実務家が集い、脳とAIの融合が進む社会における課題と可能性について理解を深める機会となりました。
シンポジウム終了後には懇親会を開催し、栽培醸造家の本多孝氏を迎えて「新潟の日本酒とワイン」と題した講演をいただき、参加者は地域の食文化への理解を深めました。その後のカクテルパーティーでは、国内外の参加者が分野や所属を越えて交流し、活発な意見交換を行うなど親睦を深め、盛会のうちに終了しました。
新潟大学研究統括機構ELSIセンターは、今後も国際・地域社会への還元に資する取り組みを推進してまいります。




